引越し見積もり・予約サービスの「引越し侍」を運営するエイチームライフデザインは、「物流2024年問題」が引越し業者に与える影響について、調査結果をまとめました。
8割の業者が「影響あり」と回答
トラックドライバーの労働時間に上限規制がかかる2024年4月以降、調査した57件の業者のうち、約8割が「影響があると思う」と回答しています。具体的な影響としては、以下の2つに集約されました。
- 1日あたりの対応件数が減る
- 人員が減る
影響がある、と答えた業者のうち、「対策している」と回答した業者は73%。つまり、約3割の業者は、影響があるだろうとは思いながら、対策はしていないということになります。業者によっては「対応のしようがない」「どう対策したらよいかわからない」というケースもある、と同社では分析しています。
「対策しようがない」頭を抱える業者も
対策としては、以下の3項目が中心でした。
- 社内の効率化を進めた
- 引越し料金を上げた
- 従業員の給与を上げた
2番目と3番目は表裏一体の関係ですね。人手を確保するために給与を上げれば、引越し料金を上げざるを得ません。そうでなくても電気や燃料などの費用は上がっています。
「社内の効率化」は、引越し業界の構造的な問題と関係があります。相見積もりをして、値下げで顧客を獲得することが常態化しているため、料金値上げは難しく、社内の効率化で何とかしようとする業者が多い……と同社ではみています。
料金は意外にも「変わらない」?
利用者の側としては、4月以降の引越し料金がどうなるのか気になります。それについても聞いていますが、料金は「変わらない」と予測した業者が37%で最も多く、次いで「100~110%に値上がりする」との予測が26%でした。
前述したとおり、値下げが常態化している引越し業界では、料金相場が変わりにくい側面があるようです。ただし、値下げは業者に余力がなければできません。引越し料金も、じわじわと値上がりしていくのではないでしょうか。
お得な引越しにはコレ
利用者がお得に引越しをしようと思うなら、2024年問題が本格化する4月以降でも通用するやり方があります。それは、以下のような方法です。
- 繁忙期を避ける
実はこれ、一択です。引越しは、3~4月の週末など、特定の時期に集中する傾向があります。需要の集中する繁忙期は当然、値段も高くなり、場合によっては引き受けてくれる業者が見つからない可能性もあります。
逆に、需要の少ない閑散期であれば、人員不足の心配は少なく、料金も安くなります。これから引越しをする方は、繁忙期を避けて、平日に引越しするよう工夫することをおすすめします。