誰しも気になることの一つが健康問題。今は会社勤めしてるから健康保険があるけど、退職したらどうなるの？ 病院行けないの？ 支払うお金が今の何倍にもなっちゃうの？ こんな心配がある人のために、わかりやすく解説していきます。
任意継続と国民健康保険の二択
結論から言うと、会社を辞めた後の健康保険には大きく分けて２つの方法があります。
- 任意継続被保険者
- 国民健康保険
１つは、退職前に入っていた会社の健康保険に「任意継続被保険者」として引き続き加入する方法。もう１つは都道府県と市町村で運営する「国民健康保険」に入る方法です。家族の健康保険に被扶養者として入る方法などもありますが、ここでは省略します（年収要件などがありますので当該健保組合などにお問い合わせください）。
任意継続と国民健康保険、さてどちらを選ぶか。
任意継続は２年だけ、保険料２倍？
任意継続被保険者は、その名の通り任意で、自分が希望してなるものです。
もともと入っていた健康保険の継続ですから、同じサービス、たとえば人間ドックの費用補助などが受けられます。ちょっと注意が必要な点が２つ。最長で２年間しか継続できないということと、支払い保険料が高くなってしまう可能性が高いということです。
最長で２年しか入れないのは、そういう制度だと決まっているからです。仕方ありません。
保険料の件は、現役の会社員であれば保険料の半分くらいは会社が払ってくれていましたが、退職後なのでその分も自分で払わなくてはならないからです。
任意継続被保険者になる時点で、保険料を算出する基となる月給の額（標準報酬月額）が変更されることがあります。社員その他の同じ健康保険に加入する人たちみんなの平均額か、退職時の自分の標準報酬月額か、どちらか低いほう（健保組合によっては高いほう）が適用されるためです。
国民健康保険は住所地で保険料が異なる
国民健康保険組合への加入を選ぶ場合は、在職中の健康保険の喪失届を持って市町村役場で手続きをします。前年の年収を基準に保険料が決まり、その額は市町村ごとに異なります。簡易計算できるサイトで試してみたところ、年齢60歳で税込年収360万円だった場合、年間保険料は東京都某区では26万円、東京都某市は19万円とそこそこの差が出ました。もちろん正確な計算ではないので、住所地の市町村で確認は必須ですね。
任意継続の場合は奥さんなど被扶養者がいても、保険料は本人（被保険者）だけが払えばOKです。国民健康保険は被扶養者という概念がそもそもなく、配偶者や子供がいれば、人数分の保険料を払わなくてはなりません。
ここも要注意ポイントです。
保険料だけで決めない方がいい
国民健康保険には、前述の人間ドック補助みたいな付加サービスはありません。
保険料の高い安いだけではなく、全体を見てどちらに入るかを選んだ方がいいでしょう。
１年は任意継続にして、その後は国民健康保険に移るという手もあります。
超ざっくりでしたが、イメージはつかめましたでしょうか。では、また次回。
