脱毛サロンの倒産が急増……2023年4月7日に帝国データバンクが、こんな内容を発表しました。同社によれば、2022年度の脱毛サロンの倒産件数は7件で、前年度の1件から大きく増え、過去最多を更新しています。また同社は、把握されていない廃業などもあると見ており、実際にはもっと多くの脱毛サロンが姿を消していると推測しています。
脱毛サロン問題の根は「前払い」にある
私自身がサロンでの介護脱毛を経験して、施術を受けるうちに「これは儲かりそうな商売だな」と感じました。まとめると以下のような点です。
- コースで契約すると全額前払いしなくてはならない
- 施術は2~3か月に1回で、時間は15分程度
- サロン用の脱毛マシンは100万円程度で買える
- 施術は素人でもできる
サロンの倒産が問題になるのは、1点目の「全額前払い」だからです。2022年度に倒産した「脱毛ラボ」は、利用者3万人が被害を被っています。
脱毛サロンが前払いに誘導している
過去に倒産したエステサロンもそうでしたが、この種の業界では前払いが常識のようになっています。サロンは前払いでまとまったお金を得て、新規出店や設備投資などに充てるのかもしれないため、前払いが必ずしも悪とは言えませんが、倒産されると利用者の痛手が大きくなります。
どのサロンでも、回数の多いコースになるほど、割引率が高くなる料金体系を取っています。脱毛は1回や2回では終わらないため、利用者側は1回あたりの料金が安くなる複数回のコースを選択するのが普通です。結局、サロン側が前払いに誘導しているわけです。
途中で離脱して前払い分を捨てている人も
施術の間隔が長い点は、途中離脱が多くなる要因です。全身脱毛なら50万円、あるいはそれ以上の額を前払いさせられるのに、中には、途中で続けられなくなって、施術に行かなくなる人もいるでしょう。学生や若い会社員などだったら、ローンを組んでいたかもしれません。返金制度があるサロンもあるでしょうが、そのままにしてしまう人も多いと思います。
女性向け脱毛サロンでよく指摘される、予約がいっぱいでなかなか取れないという問題も、ここに絡んできます。現に、予約が取れないので途中であきらめた、という女子を知っています。あきらめてしまう利用者が多いほど、サロンは儲かるという歪んだ構造です。
クリニックなら医療機関だから安心、とは言えない
では、医療機関である脱毛クリニックなら、心配はないのでしょうか。そんなことはありません。脱毛サロンと脱毛クリニックの最大の違いは、クリニックなら医療機関なのでパワーの強いレーザー脱毛器が使えるという点です。複数回コースの設定があり、前払いで支払うところは、サロンでもクリニックでも同じです。
一部のクリニックでは、予約がいつもいっぱいで取れない、という証言も得ています。結局、脱毛の儲かる構図は、サロンでもクリニックでもまったく同じです。もちろん、多くのサロン・クリニックは良心的に経営していると思います。ただ、評判がよろしくないところがあるのも事実です。
某クリニックのように、院長は医師ですが事実上の名義貸しで、裏側にいる錬金術師のような人たちが、儲け優先のビジネスとして多店舗展開しているところもあります。
少しでも怪しいと思ったらやめておけ
脱毛のニーズが高まっている今、サロンやクリニックの選択は慎重にしたいものです。とはいえ、見極めの決定打はありません。カウンセリングや料金の説明を受ける際に、少しでも怪しさを感じたら、やめておいた方が無難です。
脱毛には半年から1年の時間がかかります。キャンペーンだって年中やり続けています。今日あわてて始める必要などないことを、肝に銘じておきましょう。
【PR】選ぶなら安心感が高い「リゼ」
【PR】自己処理するならこちら!