脱毛クリニック「レジーナクリニック」「レジーナクリニックオム」「エトワールレジーナクリニック」を運営する医療法人誠崇会は2025年8月1日、「前払い金保証」のサービスを開始すると発表しました。脱毛業界初と思われる、なかなか画期的なサービスです。
保証で安心感を与える

UnsplashのZac Durantが撮影した写真
アリシアクリニック、トイトイトイクリニック、銀座カラー、シースリー……。大手を含む脱毛クリニック、サロンの経営破綻が続いたのは記憶に新しいところ。脱毛クリニックやサロンの問題は、基本的に前払いである点にあり、このことは過去にもお伝えしてきました。レジーナ系はそこに保証を組み込み、仮に経営破綻してもお金が戻ってくるという安心感を与えています。
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全身脱毛なら数十万円かかります。それをクレジットで前払いして、クリニックやサロンに飛ばれてしまっては泣くに泣けません。現に契約したクリニックが倒産し、約30万円の前払い金が戻らずに泣き寝入りせざるを得なかった知人もいます。すでに前払い金の問題は広く知られており、保証制度を創設したレジーナ系を選ぼうという顧客も増えそうです。
自動的に保証を付帯、追加費用なし
プレスリリースによると、保証は株式会社日本保証という会社が行います。「当院が万が一経営継続困難となった場合でも、未消化分の施術代金を保証する制度」とのことで、顧客の契約には自動的に保証が付帯されます。保証料などの追加費用は顧客側には発生しません。
返金されるのは「契約書に記載の中途解約時の返済金相当額」となっている点は気になります。まあ、クリニックが経営破綻しなければ問題はないのですが。
日本保証という会社は旧称をロプロ、さらに遡ると日栄と称した商工ローンの会社です。保証のほか、個人や事業者向けのファイナンス事業(要するにローン)も行っています。消費者金融大手だった旧武富士の債権を引き継いでおり、その取り立てなども行っているようです。
保証業務は借金の取り立てとは別です。取り立てに遭った人からの相談を受け付けている千葉いなげ司法書士事務所のサイトには、「株式会社日本保証はやばい会社というわけではありません」というカジュアルな感じの説明が記載されていました。
問題の源泉は「前払い」にある

UnsplashのKelly Sikkemaが撮影した写真
前払い金の保証制度は、安心して脱毛に通えるという点で評価できます。保証会社から経営内容にお墨付きを得た、とも言えるでしょう。ただし、これですべて安心というわけではありません。
脱毛業界の抱える問題の源泉は「前払い」にあります。30万円、50万円というお金を前払いした挙句、予約がなかなか取れずに脱毛を諦めてしまった人も少なからずいます。忙しくなったり、転勤して通えなくなったりする可能性もあります。これらのケースは「経営継続困難」ではないため、保証されません。
脱毛に限らず、エステや語学学校などでも「前払い」の問題は指摘されてきました(サブスクやダークパターンの問題も広がりそうです)。途中で挫折する人が多いほど運営側が儲かる「挫折ビジネス」である以上、前払いがなくなるとは思えません。結局は施術を受ける側がクリニックやサロンを見極め、しっかり通い続けることが重要です。
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